求人票や同僚との会話で「ボーナス〇ヶ月分」という言い方をよく聞きますが、実際の相場を知らないと自分の支給額が高いのか低いのか判断できません。最新の調査データから、月数換算の考え方を整理します。

2026年夏のボーナス相場は平均47.7万円

帝国データバンク「2026年夏季賞与の動向アンケート」(2026年6月公表、民間の信用調査会社による企業アンケート)によると、2026年夏のボーナスは正社員1人あたり平均47.7万円で、前年から1.8万円増加しました。1人当たりの支給額が前年より「増加する」と答えた企業は37.1%で、賃上げの流れがボーナスにも及んでいます。ただし「増加する」企業の割合は大企業が44.4%、小規模企業が31.4%と、企業規模による差も開いています。

「何ヶ月分」は月給との比率で決まる

ボーナスの「支給月数」は、基本給(または月給)の何倍を支給するかという企業側の決め方の指標です。仮に月給30万円の人が平均額の47.7万円をもらったとすると、47.7万円÷30万円で約1.6ヶ月分に相当します。同じ「1.6ヶ月分」でも月給が違えば金額はまったく変わるため、他社との比較は「金額」よりも「月数」で見た方が公平です。求人票の「賞与年2回・計4.0ヶ月分」といった表記は、基本給ベースでの目安と考えておくのが実務的です。

「何ヶ月分」からボーナス額を計算する式

月数から支給額を出す式は「算定の基礎になる額 × 支給月数」です。注意したいのは、基礎になる額が会社によって違う点です。多くの会社は残業代や通勤手当を含まない基本給を基礎にしますが、役職手当などを含めた額を使う会社もあります。自分の会社がどちらかは、就業規則や賃金規程の賞与の条文で確かめられます。業績や人事評価に応じた係数を掛ける会社では「基本給×月数×評価係数」となり、同じ月数でも人によって金額が変わります。

基本給1.0ヶ月分2.0ヶ月分2.5ヶ月分
20万円20万円40万円50万円
25万円25万円50万円62.5万円
30万円30万円60万円75万円
35万円35万円70万円87.5万円

求人票の「年4.0ヶ月分」は夏と冬の合計を指すことが多く、基本給25万円なら年間100万円、夏冬で均等に分ければ1回50万円が額面の目安です。逆に、もらった額面を基本給で割れば自分のボーナスが何ヶ月分だったかがわかります。たとえば基本給24万円で額面54万円なら、54÷24=2.25ヶ月分です。

額面から手取りを計算するときの決まり

上の表は額面(税金・保険料が引かれる前)の金額です。手取りを出すには、額面から社会保険料と所得税を引きます。日本年金機構の説明では、賞与の保険料は額面の1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に保険料率を掛けて計算します。標準賞与額には上限があり、厚生年金保険は1か月あたり150万円、健康保険(介護保険・子ども・子育て支援金を含む)は4月から翌年3月までの年度の累計で573万円です。所得税は、前の月の給与(社会保険料を引いた後の額)と扶養親族等の数から国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」(令和8年分)で決まる率を、保険料を引いた後の賞与に掛けて計算します。このため、同じ額面でも人によって手取りは変わります。

公務員は支給月数が制度で決まっている

民間企業の支給月数が業績や会社の裁量で決まるのに対し、国家公務員のボーナス(期末手当・勤勉手当)は人事院勧告に基づき支給月数が明確に決まっています。年間の合計はおおむね4ヶ月台で推移しており、2026年8月の人事院勧告でも0.05月分引き上げて年間4.70月分とするよう勧告されました。民間の支給月数はこれより幅が広く、同じ帝国データバンクの調査では11.0%の企業が夏の賞与は「ない」と答えている一方、業績に応じて大きく上乗せする企業もあります。

自分の手取り額を確認する

額面のボーナスから社会保険料・税金がどれだけ引かれるかは、月給とは計算方法が異なります(賞与保険料には上限があるなど)。具体的な天引き額の仕組みはボーナスの手取りが少ない理由で解説しており、実際の手取り額は賞与の手取り計算機で計算できます。

ボーナスの支給額・月数は企業の業績や規模、雇用形態によって大きく異なります。本記事の数値は調査時点の全国平均であり、個別の支給額を保証するものではありません。

出典: 人事院 令和8年人事院勧告、人事院 令和8年人事院勧告 総裁談話、日本年金機構 厚生年金保険の保険料(賞与の標準賞与額)、日本年金機構 賞与にかかる保険料はどのように計算するのですか。、国税庁 令和8年分 源泉徴収税額表(賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表)