再就職手当はいくら?計算方法ともらえる8つの条件【2026年8月改定】
失業保険(基本手当)を受け取っている途中で再就職が決まると、残っている日数に応じて再就職手当が一時金で支給されます。金額は基本手当日額×支給残日数×70%(残りが3分の2以上)または60%(3分の1以上)で、計算に使う日額には令和8年8月1日から6,745円(60〜64歳は5,454円)の上限があります。たとえば月給30万円・35歳・自己都合(所定給付日数90日)の人が60日を残して就職すると、6,307円×60日×70%=約26.5万円です。
この記事では、計算方法と月給別の金額例、もらえる条件、申請期限、あとから受け取れる就業促進定着手当までを順に整理します。
再就職手当の計算方法: 日額×残日数×給付率
計算に使うのは次の3つの数字です。いずれもハローワークで受け取る雇用保険受給資格者証に載っている数字から確かめられます。
- 基本手当日額: 失業保険で1日あたりにもらえる額。ただし再就職手当の計算では上限があり、令和8年8月1日以降は60歳未満6,745円、60〜64歳5,454円です(毎年8月に見直されます)。
- 支給残日数: 就職日の前日までの失業の認定を受けたあとに、所定給付日数のうち残っている日数。
- 給付率: 残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%。3分の1未満になると再就職手当は出ません。
所定給付日数が90日の人なら、境目は60日(3分の2)と30日(3分の1)です。残り60日で就職すれば70%、59日なら60%、29日なら支給なし、と1日の違いで金額が変わります。自己都合退職で給付制限がある人は、制限期間中は基本手当の日数が減らないため、その間に就職すると残日数は所定給付日数のまま数えられます。
月給別・残日数別の金額の例
月給30万円・35歳・雇用保険の加入5年・自己都合(所定給付日数90日)の人の場合、基本手当日額は6,307円です(令和8年8月以降の基準。失業保険の計算機と同じ計算式)。残日数ごとの再就職手当は次のとおりです。
| 支給残日数 | 給付率 | 再就職手当 | 参考: 残りの基本手当を全部もらった場合 |
|---|---|---|---|
| 89日 | 70% | 約39.3万円 | 約56.1万円 |
| 60日 | 70% | 約26.5万円 | 約37.8万円 |
| 59日 | 60% | 約22.3万円 | 約37.2万円 |
| 30日 | 60% | 約11.4万円 | 約18.9万円 |
| 29日 | - | 支給なし | 約18.3万円 |
右の列と比べると、再就職手当は残りの基本手当の6〜7割にとどまります。ただし再就職すればその日から給料が入るので、月給30万円の仕事に2ヶ月早く就けば、給料約60万円+再就職手当を受け取ることになり、基本手当を最後まで受けてから就職する場合より受け取る総額は大きくなります。
離職前の月給が高い人は上限に注意が必要です。月給50万円(35歳)の人の基本手当日額は8,270円ですが、再就職手当の計算では6,745円に抑えられ、残り60日なら6,745円×60日×70%=約28.3万円です。月給40万円の人の日額は6,744円で、ほぼ上限と同じ額になります。会社都合で給付日数が長い人は金額も大きく、たとえば所定給付日数240日・月給30万円の人が160日を残して就職すると、6,307円×160日×70%=約70.6万円です。月給ごとの基本手当日額は月給30万円の失業保険などの早見ページでも確かめられます。
再就職手当をもらえる8つの条件
東京労働局のハローワークの案内では、次の8つをすべて満たすことが条件とされています。
| 条件 | つまずきやすい点 |
|---|---|
| 1. 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上 | 就職日の前日までの失業の認定を受けておく |
| 2. 1年を超えて雇われる見込みがある | 契約期間1年以下で更新の見込みがない仕事は対象外 |
| 3. 採用の内定が受給資格決定日以降 | ハローワークで手続きする前に決まっていた内定は対象外 |
| 4. 待期(7日間)が過ぎてから就職 | 待期中に働き始めると対象外 |
| 5. 給付制限がある人は、待期後1ヶ月間はハローワークか許可・届出のある職業紹介事業者の紹介で就職 | この期間に求人サイトから自分で直接応募して決まった場合は対象外 |
| 6. 離職前の会社やその関連会社への再就職でない | グループ会社への出戻りも含まれる |
| 7. 過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受けていない | 短い間隔で転職を重ねた人は確かめておく |
| 8. 雇用保険の被保険者になる | 週20時間未満など、雇用保険に入らない働き方は対象外 |
自己都合退職の給付制限は、2025年4月以降の退職から原則1ヶ月に短くなりました(詳しくは失業保険はいくら?)。条件5の「紹介による就職」が求められるのは、待期が明けてから1ヶ月の間だけです。事業を始めて自営業者になる場合も、一定の条件で支給の対象になります。
申請期限と、振り込まれるまでの流れ
再就職手当は自動では振り込まれません。就職日の翌日から1ヶ月以内に、就職先の事業主に採用の証明を書いてもらった再就職手当支給申請書を、受給資格者証と一緒にハローワークへ出します。本人が行けないときは代理人(委任状が必要)か郵送でも出せます。札幌のハローワークの案内では、提出後に支給するかどうかの調査がおおむね1ヶ月かかり、入金までは1ヶ月半〜2ヶ月ほどとされています。
流れをまとめると、(1) 内定が出たらハローワークに伝える、(2) 就職日の前日までに失業の認定を受ける、(3) 就職先に申請書の証明を頼む、(4) 就職日の翌日から1ヶ月以内に提出する、の順です。入社直後は給料日まで間が空くことが多いため、再就職手当の入金がその後になる点も家計の見通しに入れておくと慌てずに済みます。
就業促進定着手当: 給料が下がった人への上乗せ
再就職手当を受けた人が、同じ会社で6ヶ月以上働き、その6ヶ月間の賃金の1日分が離職前の賃金日額より低い場合は、就業促進定着手当を受け取れます。金額は「(離職前の賃金日額−再就職後6ヶ月間の賃金の1日分)×6ヶ月間の賃金の支払いの基礎になった日数」で、上限は基本手当日額×再就職手当を受ける前の支給残日数×20%です。冒頭の例(日額6,307円・残り60日)なら上限は約7.6万円になります。
この上限の割合は、2025年4月1日以降に再就職した人から一律20%になりました(それより前は再就職手当の給付率に応じて30%または40%)。再就職手当の対象になった会社を6ヶ月未満で辞めて別の会社に移ると、対象から外れます。賃金が下がっていても、6ヶ月間の賃金の1日分が賃金日額の上限額以上なら支給されません。
よくある質問
Q. 再就職手当に税金はかかりますか?
かかりません。再就職手当は雇用保険法上の失業等給付のうち就職促進給付にあたり、同法第12条で失業等給付には税金などを課さないと定められています。年末調整や確定申告の収入にも入れません。
Q. パートやアルバイトでも再就職手当はもらえますか?
雇用保険の被保険者になり、1年を超えて働く見込みがあるなど8つの条件を満たせば、雇用形態は問われません。週20時間未満で雇用保険に入らない働き方は対象外です。
Q. 早く就職するのと、失業保険を最後までもらうのとでは、どちらが多くなりますか?
受け取る総額で比べると、早く就職するほうが給料の分だけ多くなります。月給30万円・日額6,307円の例で残り60日の時点なら、残りの基本手当は約37.8万円、再就職手当は約26.5万円で、差の約11.3万円は2ヶ月分の給料(約60万円)で上回ります。
金額は令和8年8月1日以降の基準による概算です。実際の支給の可否と金額は、管轄のハローワークの判断と受給資格者証の記載によって決まります。
出典: ハローワークインターネットサービス 就職促進給付、厚生労働省 再就職手当のご案内、東京労働局 就職促進給付に関するQ&A、北海道労働局 ハローワーク札幌 再就職手当ての支給は、厚生労働省 基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)、雇用保険法(厚生労働省 法令等データベース)