「そういえば定額減税ってどうなったんだっけ」と、給与明細を見て思い出す人が増えています。結論から言うと、2026年の給与明細に定額減税の記載がないのは異常でも見落としでもなく、制度自体がすでに終わっているからです。

2024年限定の1回きりの措置だった

定額減税は2024年度税制改正で導入された景気対策で、2024年6月以降に支払われる給与・賞与から、本人と扶養家族1人につき所得税3万円・住民税1万円(合計4万円)を天引き前に差し引く形で実施されました。会社員の所得税は2024年6月以降最初の給与・賞与の源泉徴収税額から差し引き、引ききれない分は同年中の給与から順次差し引く形で、住民税は主に2024年6月分を徴収せず7月分〜2025年5月分の11回で均等に減税する形で行われました。所得税は2024年分、住民税は令和6年度分(一部の配偶者分だけは令和7年度分=2025年6月〜2026年5月)限りの措置として、最初から期限が決まっていました。

2025年・2026年の税制改正大綱にも延長は入っていない

定額減税の再実施や延長は、令和7年度(2025年度)・令和8年度(2026年度)のどちらの税制改正大綱にも盛り込まれていません。基礎控除や給与所得控除の引き上げ(いわゆる「年収の壁」の見直し)は継続的な制度変更として進んでいますが、これは定額減税とは別枠の話です。2026年時点で「一律いくら引かれる/戻る」という形の恒久減税は存在しません。

給与明細の見た目はもう2024年とは違う

2024年6月〜2025年にかけての給与明細には「定額減税額」といった項目が並んでいましたが、2026年の明細にその欄がないのは仕様どおりです。もし2026年の明細に見慣れない控除項目が増えているなら、それは定額減税ではなく、2026年4月分の保険料(5月支給の給与)から健康保険料と一緒に徴収が始まった「子ども・子育て支援金」である可能性が高いです(健康保険料に含めて表示する会社もあります)。一方、令和8年度税制改正による基礎控除・給与所得控除の引き上げは毎月の明細には出ず、年末調整でまとめて所得税が戻る形で反映されます。実際の手取りへの影響は手取り計算機で確認できます。

定額減税の実施内容は自治体や勤務先の処理タイミングにより多少前後します。過去分の還付・調整が未処理のまま残っているケースなど個別の疑問は、勤務先の給与担当か税務署にご確認ください。

出典: 国税庁 定額減税特設サイト 制度の概要、横浜市 令和6年度分の個人住民税の特別税額控除(定額減税)について、横浜市 令和7年度分の個人住民税の特別税額控除(定額減税)について、財務省 令和8年度税制改正の大綱、全国健康保険協会 令和8年度都道府県単位保険料率、国税庁 No.1199 基礎控除