住民税決定通知書の見方|いつから引かれるかと確認したい3つの欄

5月から6月にかけて、会社員は給与明細と一緒に「住民税決定通知書」という書類を受け取ります。数字と専門用語が並んでいて読み飛ばしがちですが、控除がきちんと反映されているかを確認できる年に一度のチェックポイントです。
住民税決定通知書とは
前年1〜12月の所得をもとに市区町村が計算した、その年6月から翌年5月までの住民税額を知らせる書類です。会社員は給与から天引きする「特別徴収」のため、市区町村から勤務先に届いた本人用の通知書が勤務先経由で渡されます(紙ではなく電子データで受け取る勤務先もあります)。個人事業主やアルバイトで普通徴収の人には、自宅に納付書とあわせて届きます。
まず見る「特別徴収税額」の欄
会社員がまず確認したいのは、6月分から翌年5月分までの月割額が並ぶ「特別徴収税額」欄です。6月分だけ他の月より少し金額が高いのは、年税額を12で割った際の端数を最初の6月分にまとめているためで、計算ミスではありません。この金額が実際に毎月の給与から天引きされます。自分の手取りへの影響を月単位で確認したい場合は手取り計算機で試算できます。
通知書の税額はいつから引かれる?6月の給与から翌年5月まで
通知書に書かれた税額は、その年の6月に支払われる給与から天引きが始まり、翌年5月の給与まで12回に分けて引かれます。地方税法では、市区町村は5月31日までに勤務先へ税額を通知することになっていて、多くの自治体は5月中旬〜下旬に発送します。そのため、通知書を受け取るのは5月末〜6月の給与明細と一緒になることが多く、受け取った月の給与から新しい税額に切り替わります。
2026年に届いた通知書(令和8年度分)は、2025年1〜12月の所得が元になっていて、2026年6月分〜2027年5月分の給与から引かれます。サイトの計算機で、東京都・40歳未満・独身・扶養なしの条件で2025年の給与収入から令和8年度分の住民税を出すと、次のようになります(社会保険料は概算)。
| 2025年の給与収入 | 令和8年度の年税額 | 6月分 | 7月〜翌年5月分(毎月) |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 117,400円 | 10,700円 | 9,700円 |
| 400万円 | 176,700円 | 15,000円 | 14,700円 |
状況によって、引かれ始める時期は次のように変わります。
| 状況 | いつから・どう引かれるか |
|---|---|
| 新卒で4月に入社 | 前年の所得がほぼ無いため1年目は原則かからず、2年目の6月の給与から |
| 年の途中で転職 | 前の会社から異動届が出ていれば、新しい会社で残りの月から引き続き天引き。手続きが間に合わない月は自宅に届く納付書で払う |
| 1〜4月に退職 | 原則、5月分までの残りを最後の給与や退職金からまとめて天引き(一括徴収) |
| 6〜12月に退職 | 本人が申し出れば一括徴収、申し出なければ残りは納付書で自分で払う(普通徴収) |
新卒2年目に手取りが減るしくみは住民税はいつから引かれる?、天引きと納付書払いの違いは住民税の特別徴収と普通徴収の違いで詳しく説明しています。
2026年度(令和8年度)の通知書で変わった点
令和8年度分の住民税から、給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げられました。給与収入が190万円未満の人は、前年度より所得が少なく計算されるため、通知書の「給与所得」の欄が前年より小さくなっていることがあります。また、扶養に入れる配偶者や親族の所得の上限が48万円から58万円に引き上げられたため、家族の扶養の欄が前年と変わっていないかも確認しておくと安心です。
「課税標準額」と「税額控除」で控除の反映を確認
「課税標準額」は、所得から所得控除(基礎控除・社会保険料控除・扶養控除など)を差し引いた後の金額です。ここに市町村民税6%+道府県民税4%=合計10%(政令指定都市は市民税8%+道府県民税2%)をかけたものが所得割額になります。さらに「税額控除」欄では、住宅ローン控除や調整控除、ふるさと納税による寄附金税額控除などが金額として差し引かれます。ふるさと納税やiDeCoをしている人は、この税額控除欄・課税標準額欄に反映されているかを確認しましょう。反映されていない場合は自治体への申告漏れの可能性があるため、早めに市区町村の税務窓口に問い合わせてください(iDeCo・ふるさと納税の節税効果も参考にどうぞ)。
均等割は原則どこでも年5,000円
所得割とは別に、所得額にかかわらず定額でかかる「均等割」もあわせて記載されています。標準額は市町村民税3,000円+道府県民税1,000円+森林環境税(国税)1,000円の合計5,000円で、多くの自治体はこの標準額のとおりですが、独自の上乗せ課税を行う自治体もあるため、金額が違っても誤りとは限りません。住民税がいつから引かれ始めるかの基本は住民税はいつから引かれる?で解説しています。
よくある質問
Q. 住民税決定通知書の税額は何月の給与から引かれますか?
6月に支払われる給与から引かれ始め、翌年5月の給与まで12回に分けて天引きされます。
Q. 6月分だけ金額が多いのはなぜですか?
年税額を12で割ったときの100円未満の端数を6月分にまとめているためです。上の表の年収300万円の例では、6月分が10,700円、7月以降が9,700円です。
Q. 通知書が届かないのですが、住民税はかかっていないのですか?
勤務先が電子データで受け取って配っていない場合や、前年の所得が非課税の範囲だった場合があります。まず給与明細の住民税の欄を見て、引かれていれば勤務先の担当者に通知書の受け取り方を確認してください。
住民税決定通知書の様式・記載項目は自治体によって多少異なります。控除の反映状況や金額に疑問がある場合は、通知書に記載の担当窓口(市区町村の税務課)にご確認ください。
出典: 総務省 個人住民税、横浜市 個人の市民税特別徴収に関すること、横浜市 特別徴収税額通知書裏面の計算方法等について(令和8年度分)、横浜市 納税の方法(個人の市民税・県民税)、横浜市 個人住民税の特別徴収に関するよくあるご質問、世田谷区 令和8年度から適用される特別区民税・都民税の主な税制改正、千葉市 令和8年度から適用される個人市・県民税の主な改正点