住宅ローン控除の年末調整|2年目からの書き方と必要書類・控除額の計算【2026年】

家を買った最初の年は確定申告で住宅ローン控除を受けますが、2年目からは会社の年末調整で手続きできます。ただ、税務署から届く申告書は欄が多く、初めて書く年は「どの数字をどこに写すのか」で迷いがちです。この記事では、2年目の年末調整で会社に出す書類、控除申告書を書く順番、控除額がどう決まるかを順に整理します。
2年目から会社に出すのは2つの書類
国税庁のタックスアンサー(No.1211-1)では、給与所得者は控除を受ける最初の年分だけ確定申告が必要で、2年目以後は年末調整で控除を受けられるとされています。年末調整で会社に出すのは、原則として次の2つです。
1つ目は、税務署から届く「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」と「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」が一体になった用紙です。書面で受け取る人には、入居2年目の11月下旬ごろに、2年目以降の控除期間の分がまとめて郵送されます。1年分ずつ使うので、来年以降の分は捨てずに保管しておきます。確定申告のときに電子交付を選んだ人は、毎年11月中旬ごろにe-Taxのメッセージボックスへデータが届きます。
2つ目は、借入先の金融機関が発行する「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」です。借入先が複数ある人は、すべての証明書が必要になります。ただし、借入先が「調書方式」に対応している場合は、金融機関が税務署に残高のデータを出すしくみなので、この証明書を会社に出す必要はありません。自分がどちらの方式かわからないときは、金融機関から証明書が届くかどうかで見分けられます。
控除申告書は「年末残高 → 0.7% → 限度額と比べる」の順に書く
控除申告書の下半分は、控除額の計算明細書を兼ねています。書く順番はおおむね次のとおりです。まず、年末残高等証明書に載っているその年の12月31日時点のローン残高を「住宅借入金等の年末残高」欄に写します。住宅の取得対価の額のほうが残高より少ない場合は、少ないほうの金額が計算の土台になります。店舗との併用住宅などで居住用の割合が100%でない人は、その割合を掛けます。
次に、その金額に0.7%を掛けます。令和4年以降に入居した人の控除率は0.7%です(令和3年以前に入居した人は計算のしかたが違うので、手元の申告書の様式に従ってください)。出てきた金額と、申告書に印字されている控除限度額を比べ、小さいほうが「住宅借入金等特別控除額」になります。100円未満は切り捨てです。夫婦の連帯債務などで持ち分がある人は、証明書の残高に自分の持ち分の割合を掛けてから計算します。
調書方式の人の場合、入居2年目分の申告書には年末残高や控除見込額があらかじめ印字されていることがあります。一方、書面で一括郵送された3年目以降の分には残高が印字されないため、金融機関の返済計画表などで年末残高を確かめて記入します。繰上返済をした年は、印字された数字と実際の残高がずれることがあるので、実際の年末残高で計算し直します。最後に、勤務先の名称と所在地、勤務先の所在地を管轄する税務署長の名前を書いて完成です。
控除限度額は入居した年と住宅の種類で決まる
申告書に印字される控除限度額は、入居した年と住宅の区分で変わります。新築の場合、国税庁の資料では、令和6年・令和7年に入居した省エネ基準適合住宅の1年あたりの控除限度額は21万円、ZEH水準省エネ住宅は24.5万円、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅は31.5万円です。40歳未満で配偶者がいる人や、19歳未満の扶養親族がいる人など「特例対象個人」に当たる場合は、限度額が上乗せされます(省エネ基準適合住宅なら28万円)。控除期間はいずれも13年です。
具体例で見てみます。令和6年に新築の省エネ基準適合住宅に入居し、2年目にあたる令和7年末のローン残高が2,800万円だった人なら、2,800万円×0.7%=19万6,000円です。限度額の21万円より小さいので、控除額は19万6,000円になります。残高が3,500万円あれば計算上は24万5,000円ですが、限度額の21万円で頭打ちです。ローン残高は毎年減っていくので、控除額も少しずつ小さくなっていきます。
控除額がその年の所得税より大きい場合、所得税はゼロになり、引ききれなかった分は翌年度の住民税から差し引かれます。総務省の案内では、住民税で差し引ける額は前年の所得税の課税総所得金額等の5%、最高9万7,500円までです。年末調整や確定申告で住宅ローン控除を受けていれば、市区町村への申告は原則いりません。たとえば控除額が19万6,000円で所得税が12万円の人なら、残りの7万6,000円が上の上限の範囲で翌年6月からの住民税で差し引かれます。住民税側でいくら引かれたかは住民税決定通知書の見方で確かめ方を解説しています。
申告書をなくした・届かないときの手続き
まとめて届いた申告書をなくしてしまった場合は、税務署に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を出すと、再交付を受けられます。e-Taxでも書面でも申請でき、提出時期の定めはありません。ただし、手続きをした後の年分について書類が送られるしくみなので、年末調整の締め切りに間に合わせたいときは早めに申請し、勤務先の担当者にも事情を伝えておくと手続きが止まりにくくなります。
年末調整に間に合わなかった場合でも、翌年の確定申告で住宅ローン控除を受けることができます。その場合は、控除証明書のデータ(または書面)と年末残高等証明書を確定申告書に添付します。会社を転職した年も、新しい勤務先の年末調整で同じ書類を出せば控除を受けられます。
ほかの年末調整の書類も含めた全体の流れは年末調整の書き方がわからない人へ、精算された税金が戻る時期は年末調整の還付金はいつ戻る?にまとめています。年収や控除を入れて戻る金額の目安を出したい場合は年末調整の還付金シミュレーションが使えます。
控除限度額や控除期間は入居年・住宅の区分・税制改正によって変わります。ご自身の控除額は、税務署から届いた申告書の記載や、勤務先の担当部署・税務署でご確認ください。
出典: 国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合、国税庁 No.1230 調書方式による住宅借入金等特別控除、国税庁 年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ、国税庁 「調書方式」に対応した金融機関から借入れをされた方へ、国税庁 A1-39 年末調整のための住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続、総務省 個人住民税の住宅ローン控除