10〜11月ごろになると会社から配られる年末調整の書類。毎年書いているはずなのに、いざ記入しようとすると「どの欄に何を書くのか」がわからなくなる人は多いです。提出する書類は基本的に3種類で、それぞれ聞かれていることが違います。

提出する書類は基本的に3種類

年末調整で会社に提出する書類は、通常「扶養控除等(異動)申告書」「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」「保険料控除申告書」の3枚です。住宅ローン控除を2年目以降も受ける人は、これに「住宅借入金等特別控除申告書」が加わり4枚になります(1年目は確定申告での手続きが必要です)。まずは自分がもらった書類がこのどれに当たるかを確認すると、記入の見通しが立ちます。

扶養控除等申告書は「誰を扶養しているか」を書く書類

この書類は、配偶者以外の扶養親族(子どもや親など)の氏名・生年月日・所得の見積額を記入し、扶養控除を受けるためのものです。令和8年分からは、扶養親族として認められる所得要件が58万円以下から62万円以下へ、勤労学生控除の所得要件が85万円以下から89万円以下へ、それぞれ引き上げられています。扶養親族の収入がアルバイトなどの給与だけなら、令和8年分は給与収入136万円以下が目安です(給与所得控除の最低額74万円+所得要件62万円)。

基礎控除申告書は「自分の年収」で控除額が変わる

基礎控除申告書は、自分自身の合計所得金額の見積額を記入し、その金額に応じた基礎控除額の判定を受けるための書類です。令和8年分の基礎控除額は令和8年度税制改正で引き上げられ、合計所得金額489万円以下で104万円、489万円超655万円以下で67万円、655万円超2,350万円以下で62万円という区分になりました(2,350万円を超えると段階的に縮小)。本則を上回る部分は令和8・9年分の時限措置で、毎月の源泉徴収には反映されていないため、この年末調整でまとめて精算されます。書類には「給与所得の見積り→合計所得金額の見積り→控除額」の順で書く欄が並んでいるので、順番に埋めていけば自然と判定できる作りです。配偶者の所得を記入する欄がある場合は、配偶者控除・配偶者特別控除の対象かどうかもここで合わせて判定されます。

保険料控除申告書と、よくあるつまずきポイント

保険料控除申告書には、生命保険・地震保険の保険料や、iDeCo(小規模企業共済等掛金)の掛金額を記入します。記入には保険会社から送られてくる「控除証明書」の金額が必要なので、書類が届くまで手をつけられない欄です。証明書を紛失した場合は、多くの保険会社がマイページや電話で再発行に対応しています。なお、iDeCoやふるさと納税で手取りがどう変わるかはiDeCo・ふるさと納税で手取りは増えるのかで解説しています。年末調整の結果は年明けに配られる源泉徴収票に反映されるので、提出後は源泉徴収票の見方もあわせて確認しておくと、天引きされている金額の全体像がつかみやすくなります。手取り額そのものを試算したい場合は手取り計算機が使えます。

控除額や所得要件は毎年度の税制改正で変わることがあります。ご自身の年末調整の詳細は勤務先の担当部署または税務署にご確認ください。

出典: 国税庁 給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)、国税庁 No.1180 扶養控除、国税庁 No.1175 勤労学生控除、国税庁 No.1199 基礎控除、国税庁 No.1410 給与所得控除、国税庁 No.1135 小規模企業共済等掛金控除