子どもが生まれたらもらえるお金と手続きの一覧【2026年】出産から育休・児童手当まで
2026年に子どもが生まれた家庭が国の制度で受け取れるお金は、どの家庭にもある妊婦のための支援給付(子ども1人10万円)・出産育児一時金(50万円)・児童手当(3歳になるまで月1万5,000円)と、働いて雇用保険や健康保険に入っている人だけが対象の出産手当金(給与の約3分の2)・育児休業給付(最初の180日は賃金の67%)に分かれます。たとえば協会けんぽに加入する月給30万円の会社員が出産し、6か月育休を取ると、出産手当金が約65万円、育児休業給付が約120万円になり、どちらも所得税・住民税はかかりません。
受け取るには、それぞれ別の窓口への申請が必要で、児童手当のように出生の翌日から15日以内に申請しないと受け取れない月が出るものもあります。この記事では、もらえるお金と申請先・期限を一覧表にし、会社員の例で金額を計算し、2026年10月に始まった自営業・フリーランス向けの国民年金保険料の免除もあわせて整理します。
もらえるお金の一覧(2026年10月時点)
国・健康保険・雇用保険から出る主なお金を、受け取る時期の順に並べました。金額は2026年10月時点で各制度を所管する機関が公表している値です。
| お金 | 金額の目安 | 対象 | 申請先・時期 |
|---|---|---|---|
| 妊婦のための支援給付 | 妊娠の認定後に5万円、出産予定日の8週間前以降に子どもの人数×5万円 | 妊婦全員 | 住民票のある市区町村 |
| 出産育児一時金 | 子ども1人50万円(産科医療補償制度の対象外の出産は48.8万円) | 健康保険・国民健康保険の加入者と扶養家族 | 多くは病院が直接受け取る(直接支払制度) |
| 出産手当金 | 標準報酬月額の平均÷30×3分の2が1日分 | 会社の健康保険に入っている本人 | 加入する健康保険(会社経由が多い) |
| 育児休業給付金 | 休業前の賃金の67%(181日目以降50%) | 雇用保険に入っている人(父母とも) | ハローワーク(会社経由が多い) |
| 出生後休業支援給付金 | 賃金の13%を最大28日分上乗せ | 父母とも14日以上の育休を取るなどの要件を満たす人 | 育児休業給付と一緒に申請 |
| 児童手当 | 3歳未満は月1万5,000円、3歳から高校生年代は月1万円(第3子以降は月3万円) | 子どもを育てている人(所得制限なし) | 市区町村(公務員は勤務先)、出生の翌日から15日以内 |
このほか、働いている人は休んでいる間の保険料が免除されます。会社員は産休・育休中の健康保険料と厚生年金保険料が本人負担分も会社負担分もかからず、その期間は将来の年金額の計算で納めた期間として扱われます。自治体によっては子どもの医療費の助成や独自の給付金もあるので、出生届を出すときに市区町村の窓口で一緒に確かめておくと漏れが減ります。
会社員が出産・育休を取った場合の金額の例
協会けんぽ(東京)に加入し、月給30万円(標準報酬月額30万円、ボーナスを除く過去6か月の賃金も月30万円)の会社員が、予定日どおりに第1子を出産して産休98日のあと6か月育休を取る例で計算しました。配偶者も会社員で、産後に28日間の産後パパ育休を取ったとします。
| お金 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 妊婦のための支援給付 | 5万円+1人×5万円 | 10万円 |
| 出産育児一時金 | 1人分 | 50万円(出産費用に充てる) |
| 出産手当金 | 30万円÷30×3分の2=6,667円×98日 | 約65.3万円 |
| 育児休業給付金(本人) | 月30万円×67%=月20.1万円×6か月 | 約120.6万円 |
| 出生後休業支援給付金(本人) | 賃金日額1万円×28日×13% | 3.64万円 |
| 出生時育児休業給付金+出生後休業支援給付金(配偶者) | 賃金日額1万円×28日×(67%+13%) | 22.4万円 |
| 児童手当 | 月1万5,000円×12か月 | 1年で18万円 |
出生後休業支援給付金は、父母がそれぞれ決められた期間内に14日以上の育休を取ると、育児休業給付に13%が最大28日分上乗せされる制度です。この例では配偶者が28日の産後パパ育休を取ったので、出産した本人も育休の最初の28日分に上乗せを受けられます。出産手当金は1日あたりの額に休んだ日数を掛けて計算し、産前42日(双子以上は98日)と産後56日が対象です。出産が予定日より遅れると、遅れた日数の分も支給されます。育児休業給付の67%は額面の賃金に対する割合ですが、給付金には税金がかからず、育休中は健康保険料・厚生年金保険料も免除されるので、手取りで比べると休業前の8割ほどになります(月給30万円の場合、健康保険料と厚生年金保険料だけで月約4.2万円が免除)。くわしい仕組みは育休中の収入の記事、自分の月給での金額は育休手当の計算機で確かめられます。
出産手当金や出産育児一時金のような健康保険の給付には、健康保険法第62条で税金をかけられないと定められています。一方で、育児休業給付金には上限があり、2026年8月1日からは休業開始時の賃金月額の上限が49万6,200円、67%の期間の支給上限が月33万2,454円です(厚生労働省のリーフレット)。月給がこの上限より高い人は、67%より低い割合になります。
手続きの順番と期限
申請の窓口が分かれているので、時期ごとに何を出すかを決めておくと落としにくくなります。期限が法律で決まっているのは出生届と児童手当です。
| 時期 | 手続き | 窓口 |
|---|---|---|
| 妊娠がわかったら | 妊娠の届出、妊婦のための支援給付(1回目)の申請 | 市区町村 |
| 出産予定日の8週間前から | 妊婦のための支援給付(2回目・子どもの人数の届出) | 市区町村 |
| 産休に入る前 | 産休・育休の申出、出産育児一時金の直接支払制度の合意 | 会社、病院 |
| 出生から14日以内 | 出生届 | 市区町村 |
| 出生の翌日から15日以内 | 児童手当の認定請求 | 市区町村(公務員は勤務先) |
| 出生後すみやかに | 子どもを健康保険の扶養に入れる手続き | 会社(国民健康保険は市区町村) |
| 産後56日を過ぎたら | 出産手当金の申請 | 健康保険(会社経由) |
| 育休が始まったら | 育児休業給付金・出生後休業支援給付金の申請 | ハローワーク(会社経由が多い) |
出生届の14日以内は戸籍法第49条で決まっています。児童手当は、こども家庭庁の案内によると原則として申請した月の翌月分から支給され、申請が遅れると遅れた月の分は受け取れません。月末に生まれて申請が翌月にずれ込んでも、出生の翌日から15日以内なら申請した月の分から支給されます。里帰り出産で実家にいる間も、申請先は住民票のある市区町村です。児童手当は偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)に前月までの2か月分がまとめて振り込まれます。
自営業・フリーランスの場合(2026年10月から変わったこと)
国民健康保険に加入している自営業やフリーランスの人は、出産手当金がなく、雇用保険にも入っていなければ育児休業給付もありません。受け取れるのは妊婦のための支援給付・出産育児一時金・児童手当が中心です。
その代わり、国民年金保険料の免除が広がっています。出産した本人は、出産予定月の前月から4か月間(双子以上は3か月前から6か月間)の保険料が免除される「産前産後期間の免除」があり、出産予定日の6か月前から届け出られます。さらに2026年10月1日から「育児期間の免除」が始まり、国民年金の第1号被保険者である父母は、1歳未満の子を育てている期間の保険料が最大12か月免除されます。出産した母は産前産後の免除に続く9か月間が対象です。所得の制限はなく、免除された期間も保険料を納めたものとして年金額に反映されると厚生労働省は説明しています。会社員や公務員(第2号被保険者)とその扶養に入っている配偶者(第3号被保険者)は対象外です。
よくある質問
Q. 出産育児一時金は夫の扶養に入っている妻が出産しても50万円ですか?
はい。扶養に入っている家族が出産したときは「家族出産育児一時金」として同じ額が夫(被保険者)の健康保険から支給されます。詳しくは出産育児一時金の記事で整理しています。
Q. 出産手当金と育児休業給付金は両方もらえますか?
もらえます。期間が分かれていて、産後56日までの産休中は出産手当金(健康保険)、その翌日からの育休中は育児休業給付金(雇用保険)が対象です。産休中の金額の計算は出産手当金の記事を参照してください。
Q. 児童手当に所得制限はありますか?
2024年10月分からなくなりました。年収にかかわらず、3歳未満は月1万5,000円、3歳から高校生年代までは月1万円(第3子以降は月3万円)です。
Q. もらったお金は年末調整や確定申告で申告が必要ですか?
出産育児一時金・出産手当金・育児休業給付金は非課税なので、所得として申告する必要はありません。ただし配偶者控除や扶養の判定に使う「所得」にも入らないため、育休中の年は配偶者の年末調整で配偶者控除の対象になることがあります。
金額は2026年10月時点の制度にもとづく目安です。実際の支給額や要件は加入している健康保険・ハローワーク・お住まいの市区町村の判断によって変わるため、個別の手続きは各窓口でご確認ください。
出典: こども家庭庁 妊婦等包括相談支援事業・妊婦のための支援給付、こども家庭庁 児童手当制度のご案内、こども家庭庁 令和7年度予算案について(児童手当の拡充)、協会けんぽ 出産育児一時金について、協会けんぽ 出産手当金について、厚生労働省 育児休業等給付に関するQ&A、厚生労働省 令和8年8月1日からの支給限度額の変更(リーフレット)、日本年金機構 厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)、日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度、厚生労働省 育児期間の国民年金保険料免除制度、健康保険法(e-Gov法令検索)、戸籍法(e-Gov法令検索)