年末調整でiDeCoはどう書く?小規模企業共済等掛金控除の書き方と戻る額【2026年分】
iDeCoの掛金を自分の銀行口座から引き落としている会社員は、「給与所得者の保険料控除申告書」の「小規模企業共済等掛金控除」欄のうち、「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の行に、2026年中に払った掛金の合計を書きます。添付するのは国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」で、令和8年分のハガキは10月23日に発送予定と案内されていました。会社が給与から掛金を天引きしている(事業主払込)場合は、申告書に書く必要も証明書を付ける必要もありません。
掛金は全額が所得控除になるので、2026年分に月2.3万円(年27.6万円)を払った場合、サイトの計算では年収400万円で所得税14,100円と住民税27,600円の計41,700円、年収600万円で計55,800円税金が少なくなります(独身・40歳未満・扶養なし・協会けんぽ東京の場合)。このうち所得税の分は年末調整で精算され、住民税の分は2027年6月からの天引きが下がる形で表れます。
書く欄は保険料控除申告書の「小規模企業共済等掛金控除」
令和8年分の保険料控除申告書には「小規模企業共済等掛金控除」の欄があり、掛金の種類ごとに4つの行が並んでいます。上から、中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金(小規模企業共済)、企業型年金加入者掛金、個人型年金加入者掛金、心身障害者扶養共済制度の掛金で、最後に合計(控除額)を書く行があります。iDeCoは3つ目の「個人型年金加入者掛金」です。国民年金基金連合会のよくある質問でも、この行に合計金額を書くよう案内しています。
書く金額は、2026年1月1日から12月31日までに実際に払った掛金です。国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」では、まだ払っていない分や前払いした分が入っていないかを会社が確かめることになっています。iDeCoの掛金は対象月の翌月26日(金融機関の休業日なら翌営業日)に引き落とされるため、2026年に払った掛金は、2025年12月分(2026年1月引き落とし)から2026年11月分(2026年12月引き落とし)までの12回分です。1年を通して毎月同じ額を払っていれば、月額×12がそのまま控除額になります。
欄を間違えやすいのが、同じ申告書の「社会保険料控除」です。自分で払った国民年金保険料や国民年金基金の掛金はそちらに書きます(書き方は年末調整の国民年金保険料の書き方)。生命保険料控除の欄については生命保険料控除の記事で整理しています。
| 掛金の払い方 | 申告書への記入 | 払込証明書 |
|---|---|---|
| 個人払込(自分の口座から引き落とし) | 「個人型年金加入者掛金」の行に、その年に払った合計を書く | 金額にかかわらず添付が必要 |
| 事業主払込(会社が給与から天引き) | 書かない | 国民年金基金連合会から送られない |
給与から差し引かれた掛金について、申告書の裏面には、改めて書かなくても控除の対象になるので記入は不要という注意書きがあります。会社は毎月の源泉徴収の段階で、社会保険料と一緒にこの掛金を差し引いて計算しているためです。年の途中で転職した人は、前の会社の源泉徴収票を今の会社に出せば、前の会社で給与から引かれた掛金も今の会社の年末調整で合わせて集計されます。
払込証明書はいつ届く?令和8年分の発行スケジュール
国民年金基金連合会が公表した令和8年分の発行時期は次のとおりです。電子データは、マイナポータルと連携した「e-私書箱」で受け取れます。
| 発行 | ハガキの発送予定日 | 電子データ | 主な対象 | 書かれる金額 |
|---|---|---|---|---|
| 一括発行 | 2026年10月23日 | 10月21日から順次 | 1〜9月に払い込みがあった人など | 1〜9月の払込額+10〜12月の払込予定額 |
| 追加発行① | 11月25日 | 11月20日 | 10月に初めて払い込んだ人、合計額が変わった人など | 1〜10月の払込額+11〜12月の予定額 |
| 追加発行② | 12月22日 | 12月18日 | 11月に初めて払い込んだ人、合計額が変わった人など | 1〜11月の払込額+12月の予定額 |
| 追加発行③ | 2027年1月22日 | 1月20日 | 12月に初めて払い込んだ人、12月28日の引き落としができなかった人など | 1〜12月の払込額 |
ポイントは、10月に届く証明書の金額に10〜12月分の予定額が含まれていることです。年末調整ではこの合計額をそのまま書いて構いません。ただし国民年金基金連合会のよくある質問では、予定額のまま年末調整を済ませた後で12月の引き落としが残高不足でできなかった場合は、確定申告で直すことになると案内しています。年内の引き落とし口座の残高は気にしておきたいところです。
申告書に付けるのは、ハガキのうち左上に「重要」と書かれたページ(一番右側)を切り取ったものです。なくしたときは、加入している運営管理機関(iDeCoを申し込んだ金融機関)に再発行を頼みます。受け付けから届くまで2週間ほどかかるとされているので、会社の締め切りが近いときは早めの手配が必要です。
2026年分の掛金の上限と、2026年12月分からの引き上げ
2026年分の年末調整で控除できる掛金は、2026年中に引き落とされた分なので、引き上げ前の上限で決まります。会社員・公務員の上限と、引き上げ後の上限は次のとおりです。
| 加入者の区分 | 2026年12月引き落とし分までの上限(月額) | 2026年12月分(2027年1月引き落とし)からの上限(月額) |
|---|---|---|
| 会社員(企業年金なし) | 2.3万円 | 6.2万円 |
| 会社員(企業型DC・DBあり) | 2万円(企業型DCの事業主掛金などと合わせて5.5万円以内) | 企業年金の掛金などと合わせて6.2万円以内 |
| 公務員(国家・地方) | 2万円 | 5.4万円 |
厚生労働省の案内では、この改正は2026年12月1日に施行され、国民年金基金連合会は「2026年12月分(2027年1月引き落とし分)」から上限が上がるとしています。企業年金のない会社員なら、2026年分の控除額は最大で月2.3万円×12回の27.6万円です。引き上げで増やした掛金が控除額に表れるのは、2027年に払う分、つまり2027年分の年末調整からです。同じ改正で、60歳以上70歳未満の人も一定の条件を満たせば加入できるようになります。掛金を増やすには運営管理機関での変更手続きが必要です。
年収別に戻る額の目安(月2.3万円・2026年分)
所得控除で減る税金は、おおむね「掛金×所得税率×1.021(復興特別所得税)」と「掛金×住民税の所得割10%」の合計です。2026年分の掛金27.6万円(月2.3万円)を、サイトの計算機と同じ計算式に当てはめると次のようになります(独身・40歳未満・扶養なし・給与収入のみ・協会けんぽ東京)。
| 年収 | 所得税(年末調整で戻る) | 住民税(2027年度に減る) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 14,100円 | 27,600円 | 41,700円 |
| 400万円 | 14,100円 | 27,600円 | 41,700円 |
| 500万円 | 14,100円 | 27,600円 | 41,700円 |
| 600万円 | 28,200円 | 27,600円 | 55,800円 |
| 800万円 | 56,300円 | 27,600円 | 83,900円 |
年収300万〜500万円で同じ額になるのは、この条件では課税所得が195万円未満に収まり、所得税率が5%のためです。年収600万円は10%、800万円は20%の区分に入るので、所得税の戻りが2倍、4倍になります。掛金が月1万円(年12万円)なら、年収400万円で所得税6,100円・住民税12,000円の計18,100円です。年末調整で戻る額全体の目安は年収400万円の年末調整の還付額や年末調整の還付金シミュレーションで、iDeCoありの条件を選んで確かめられます。
住民税は前年の所得をもとに計算されるので、2026年分の掛金の効果は、2027年度(2027年6月から2028年5月まで)の毎月の天引き額が下がる形で表れます。中央区の案内でも、住民税で小規模企業共済等掛金を払った場合は前年に払った全額が控除されるとしています。iDeCoの節税の考え方や、ふるさと納税との違いはiDeCo・ふるさと納税で手取りは増えるのかで解説しています。
年末調整に間に合わなかったとき
申告書に書き忘れた、証明書が締め切りまでに届かなかったという場合でも、確定申告をすれば2026年分の控除を受けられます(国税庁 No.1135)。国税庁は、令和8年分以後の確定申告書を2027年1月1日以後に出すときは、掛金の証明書を付ける代わりに、決められた事項を書いた明細書を付ける方法も認めています。年末調整の還付がいつ振り込まれるかは年末調整の還付金はいつ戻る?で整理しています。
よくある質問
Q. 会社の給与からiDeCoの掛金が引かれています。申告書に書く必要はありますか?
書く必要はありません。事業主払込の掛金は会社が毎月の源泉徴収で差し引いているので、年末調整でもそのまま控除されます。この場合は国民年金基金連合会から払込証明書も送られてきません。
Q. 証明書の金額に10〜12月の予定額が入っていますが、そのまま書いてよいですか?
証明書の合計額をそのまま書きます。残高不足などで引き落とせなかった月があると実際の払込額は少なくなるので、その場合は確定申告で直すことになります。
Q. 2026年12月から上限が上がるなら、2026年分の控除額も増えますか?
増えません。引き上げは2026年12月分の掛金からですが、12月分の引き落としは2027年1月なので、2027年分の控除になります。
この記事は2026年11月時点の国税庁・厚生労働省・国民年金基金連合会・自治体の公表資料をもとにした一般的な解説です。税額はサイトの計算式による概算で、社会保険料の実額やほかの控除によって変わります。ご自身の年末調整の扱いは勤務先または税務署にご確認ください。
出典: 国税庁 No.1135 小規模企業共済等掛金控除、国税庁 令和8年分 年末調整のしかた(保険料控除申告書の内容の確認)、国税庁 令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書、国民年金基金連合会 令和8年分の小規模企業共済等掛金払込証明書の発行時期と対象となる方、国民年金基金連合会 小規模企業共済等掛金払込証明書に関するよくあるご質問(令和8年版)、iDeCo公式サイト iDeCo加入手続きについて、国民年金基金連合会 iDeCoの拠出限度額の引き上げにあわせた掛金額変更のお手続きのご案内、厚生労働省 iDeCoの概要、厚生労働省 確定拠出年金 2025年の制度改正、厚生労働省 国家公務員・地方公務員の皆さまへ(iDeCoの拠出限度額の引き上げ)、国税庁 No.2260 所得税の税率、東京都中央区 社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・雑損控除(住民税)、東京都主税局 個人住民税と特別徴収について