障害者控除はいくら?27万円・40万円・75万円の区分と年末調整の扶養控除等申告書での書き方【2026年分】
障害者控除の額は、所得税では障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円です(国税庁タックスアンサーNo.1160)。住民税では同じ区分で26万円・30万円・53万円が所得から引かれます(新宿区の案内)。会社員なら年末調整で受けられ、本人や家族が障害者に当たるときは、扶養控除等(異動)申告書のC欄にチェックを付けて人数と手帳の内容を書きます。
減る税額は年収と区分で変わります。サイトの計算機で、40歳未満・扶養なしの会社員が2026年分の年末調整で本人の障害者控除を受けた場合を計算すると、年収400万円で障害者は年3万9,700円、特別障害者は年5万400円(所得税と翌年度の住民税の合計)少なくなります。
3つの区分と控除額の一覧
障害者控除は、障害の程度と同居しているかどうかで3つに分かれます。所得税と住民税で控除額が違うので、並べると次のとおりです。
| 区分 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 | 主な例 |
|---|---|---|---|
| 障害者 | 27万円 | 26万円 | 身体障害者手帳3〜6級、精神障害者保健福祉手帳2・3級、重度以外の知的障害 |
| 特別障害者 | 40万円 | 30万円 | 身体障害者手帳1・2級、精神障害者保健福祉手帳1級、重度の知的障害、6か月以上寝たきりで複雑な介護が要る人 |
| 同居特別障害者 | 75万円 | 53万円 | 特別障害者に当たる配偶者や扶養親族で、本人・配偶者・生計を一にする親族のいずれかと同居している人 |
手帳が無くても、65歳以上で市町村長や福祉事務所長から障害者に準じるとの認定を受けた人は対象になります(国税庁「障害者と税」)。一方で、介護保険の要介護認定を受けただけでは対象になりません。要介護の家族がいる場合は、市区町村に「障害者控除対象者認定」の申請ができるかを問い合わせると確かめられます。また、老人ホームなどに入所している家族は「同居」に当たらないため、特別障害者でも75万円ではなく40万円の区分です。
誰の障害で控除を受けられるか(本人・配偶者・16歳未満の子)
控除を受けられるのは、次のいずれかが障害者に当たるときです。
- 本人:所得の額にかかわらず対象です。
- 同一生計配偶者:生計を一にする配偶者で、2026年分の合計所得金額が62万円以下(給与だけなら年収136万円以下が目安)の人。
- 扶養親族:同じく合計所得金額が62万円以下の親族。16歳未満の子も含みます。
ポイントは2つあります。1つ目は、16歳未満の子は扶養控除(38万円)の対象外ですが、障害者控除は受けられることです。扶養控除が無いからと申告書に何も書かないと、控除がまるごと抜けてしまいます。2つ目は、本人の合計所得金額が1,000万円を超えて配偶者控除を受けられない人でも、配偶者が同一生計配偶者に当たり障害者であれば、障害者控除は受けられることです(国税庁の源泉徴収義務者向けの手引き)。反対に、19〜22歳の子でも所得が62万円を超えると扶養親族ではなくなるため、障害者控除は使えません。所得の上限は扶養控除等申告書の書き方でも整理しています。
年収別に減る税額の目安
所得控除なので、減る税額は「控除額×税率」です。所得税の税率が5%の人と10%の人で差が出ます。次の表は、サイトの計算機の関数で2026年分(所得税)と2027年度(住民税)の税額を、障害者控除がある場合とない場合で比べた差です。条件は40歳未満・扶養なしの会社員で、本人が障害者または特別障害者に当たる場合です。
| 年収 | 障害者(27万円) | 特別障害者(40万円) |
|---|---|---|
| 300万円 | 3万9,800円 | 5万500円 |
| 400万円 | 3万9,700円 | 5万400円 |
| 500万円 | 3万9,800円 | 5万400円 |
| 600万円 | 5万3,500円 | 7万800円 |
年収600万円で差が大きくなるのは、課税所得が195万円を超えて所得税の税率が10%になるためです。同居特別障害者の例として、年収400万円(40歳未満)の会社員が同居の特別障害者の扶養親族を1人もつ場合を計算すると、障害者控除で減る税額は年9万1,200円(所得税3万8,200円・住民税5万3,000円)です。同じ家族が施設に入所して特別障害者(40万円)の区分になると年5万400円で、差は4万800円です。手元の年収と家族構成で年末調整の結果を見たいときは年末調整の還付金シミュレーションや年収400万円の年末調整の早見で確かめられます。
扶養控除等申告書のC欄の書き方
年末調整では、扶養控除等(異動)申告書のC欄(障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生)に書きます。手順は次のとおりです。
- 障害者に当たる人が本人・同一生計配偶者・扶養親族のどれかに応じて、該当する区分(一般の障害者/特別障害者/同居特別障害者)にチェックを付け、扶養親族の場合は人数を書きます。
- 右側の「障害者又は勤労学生の内容」に、手帳の種類(身体障害者手帳など)、交付年月日、障害の程度(等級)を書きます。
- 16歳未満の子が障害者の場合は、下段の「住民税に関する事項」に子の氏名なども書いたうえで、C欄にもチェックを付けます。
障害者に当たるかどうかは、原則としてその年の12月31日(年末調整ではそれを行う日)の状況で判断します。年の途中で手帳の交付を受けた場合でも、年末の時点で当たっていればその年分の控除額は月割りにならず、表の金額のまま受けられます。年末調整に間に合わなかった場合や書き忘れた場合は、翌年に確定申告をすれば控除を受けられます。申告書全体の流れは年末調整の書き方にまとめています。
住民税の非課税と、年収850万円超の人の所得金額調整控除
住民税には、障害者本人の前年の合計所得金額が135万円以下なら住民税がかからないしくみがあります(港区・新宿区の案内。令和3年度から適用)。非課税の基準は自治体の案内で毎年度確かめてください。
また、年収が850万円を超える会社員で、本人・同一生計配偶者・扶養親族のいずれかが特別障害者に当たる場合は、障害者控除とは別に給与所得から最大15万円を引く所得金額調整控除も受けられます。詳しくは所得金額調整控除の記事で解説しています。
よくある質問
Q. 障害者手帳を申請中で、年末までに交付が間に合いません。控除は受けられますか?
国税庁のNo.1186では、身体障害者手帳(または戦傷病者手帳)について、年末調整や確定申告の時点で交付を申請中か、申請に要る医師の診断書を受けていて、判定の時点で手帳を受けられる程度の障害があると認められる場合は、障害者として扱えるとしています。勤務先に申請中であることを伝え、C欄の内容欄に申請中である旨を書いて相談すると進めやすくなります。
Q. 要介護認定を受けている親は障害者控除の対象ですか?
要介護認定だけでは対象になりません。65歳以上で、市町村長などから障害者に準じるとの認定を受けると対象になります。認定の基準や申請方法は市区町村で異なります。
Q. 共働きで、障害のある子をどちらの控除にするか選べますか?
扶養親族は夫婦のどちらか一方の扶養にします。障害者控除は、その子を扶養親族(16歳未満なら住民税の欄で扶養)としている人が受けます。所得税の税率が高い人の扶養にすると減る税額は大きくなりますが、ほかの控除や手当の条件にも影響するため、両方の年収で比べてから決めると差がわかります。
記事の税額は、サイトの計算機の関数で社会保険料や各控除を一定の前提で計算した目安です。実際の税額は、ほかの所得控除やお住まいの自治体によって変わります。個別の判断は勤務先や税務署、市区町村にご確認ください。
出典: 国税庁 No.1160 障害者控除、国税庁 障害者と税、国税庁 No.1186 身体障害者手帳等の交付を申請中である場合の障害者控除の適用について、国税庁 No.1184 扶養家族に寝たきりの人がいるときの控除額、国税庁 控除対象とならない配偶者が障害者控除の適用を受けた場合、国税庁 令和8年分 年末調整チェック表、国税庁 給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)、新宿区 住民税の障害者控除・非課税、港区 住民税はどういう場合に非課税になりますか