住民税は前の年の所得にかかるので、2026年1〜12月の所得で決まるのは、2027年6月から納める住民税(令和9年度分)です。このときの非課税の目安は、給与だけの人なら単身で年収119万円以下、扶養する家族が1人なら175万円以下です。どちらも2026年度(令和8年度)より9万円上がりました。

上がった理由は、住民税の給与所得控除の最低額が、令和9年度・令和10年度は65万円から74万円になったためです(本則69万円+特例5万円)。非課税の基準そのもの(合計所得金額45万円以下など)は変わっていませんが、給与から差し引く額が増えたので、同じ基準でも年収にすると高くなります。この記事では、扶養の人数ごとの早見表、人数の数え方、均等割だけかかる年収、障害者やひとり親などの基準を整理します。

非課税になる年収の早見表(2027年度・2026年度)

均等割・所得割・森林環境税のすべてがかからない人の目安です。仙台市の令和9年度の改正の案内にある早見表と、同じページの給与所得控除の表(給与収入219万円ほどまでは「収入−74万円」が給与所得)から作りました。

扶養する人数合計所得金額年収の目安(2027年度)年収の目安(2026年度)
なし(単身)45万円以下119万円以下110万円以下
1人101万円以下175万円以下166万円以下
2人136万円以下210万円以下約206万円以下
3人171万円以下約256万円以下約256万円以下
4人206万円以下約306万円以下約306万円以下

扶養がある人の基準は「35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の人数)+10万円+21万円」で、扶養がない人は45万円です。年収が220万円を超えるところでは給与所得控除が変わっていないため、扶養3人以上の目安は2026年度と同じです。扶養2人の目安は、給与所得控除74万円を足して「136万円+74万円=210万円」と計算しました(仙台市の早見表では2人の行が2,059,000円と、2026年度と同じ金額で載っています)。

この表の金額は、仙台市のように均等割の非課税の基準を「35万円×人数」としている市区町村のものです。均等割の非課税の基準は、生活保護の級地にあわせて市区町村の条例で決めるので、地方の市町村ではこれより低いことがあります。お住まいの市区町村の案内で確かめてください。

「扶養する人数」の数え方

人数に入るのは、あなたと生計を一にする配偶者(同一生計配偶者)と扶養親族です。住民税の非課税の判定では、扶養控除の対象にならない16歳未満の子も扶養親族として数えます(練馬区の案内)。そのため会社員は、扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」の欄に16歳未満の子を書くことになっています(扶養控除等申告書の書き方)。

同一生計配偶者や扶養親族になれるのは、令和9年度は合計所得金額62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)の人です(令和8年度は58万円以下・123万円以下)。共働きで配偶者の年収が136万円を超えていれば、配偶者は人数に入りません。

均等割だけかかる年収もある

住民税は、所得に10%をかける「所得割」と、定額の「均等割」に分かれます。所得割の非課税の基準は「35万円×人数+10万円+32万円(扶養がある場合)」で、扶養がある人は均等割の基準より11万円高くなります(練馬区の案内)。また所得割は、社会保険料控除や基礎控除(住民税は43万円)を引いた残りにかかります。そのため、年収が非課税の目安を少し超えても、しばらくは所得割がかからず、均等割(と森林環境税)だけを納める年収の幅があります。

40歳未満で協会けんぽ東京の社会保険料を払っている会社員の場合、2027年度の住民税は、単身なら年収119万円を超えて約138万円までは均等割と森林環境税の年5,000円だけで、所得割がかかり始めるのは年収およそ138万円からです。扶養1人なら、年収175万円を超えて約186万円までが均等割だけの範囲です。社会保険料を払っていない人(社会保険の扶養に入っているパートなど)は、単身なら年収119万円を少し超えると所得割もかかり始めます(はじめは年1,000円ほど)。均等割の額は自治体によって少し違います。2026年6月からの住民税(令和8年度分)は住民税の計算で確かめられます(給与所得控除の最低額が65万円の年度なので、年収220万円未満では2027年度分と結果が変わります)。

障害者・未成年者・寡婦・ひとり親は135万円以下

障害者、未成年者、寡婦またはひとり親に当たる人は、前の年の合計所得金額が135万円以下なら住民税が非課税です(仙台市の案内)。この基準は扶養の人数にかかわらず同じで、給与だけなら2026年の年収およそ209万円以下(135万円+給与所得控除74万円)が2027年度の目安です。扶養が2人以上いる人は、早見表の基準のほうが高くなります。ひとり親の条件はひとり親控除の条件で説明しています。

所得税がかからない年収とは別

住民税の非課税の目安(単身119万円)と、所得税がかからない年収は別の基準です。2026年分の所得税は、給与だけで社会保険料などほかの控除がなければ年収178万円まで0円です(給与所得控除74万円+基礎控除104万円)。所得税の基礎控除は104万円に上がりましたが、住民税の基礎控除は43万円のままなので、年収119万円から178万円の間では「所得税は0円、住民税はかかる」ことになります。基礎控除の区分は基礎控除は2026年分いくら、パートの年収の壁は2026年の年収の壁のまとめで整理しています。

よくある質問

Q. 2026年に年収119万円以下だと、いつの住民税が非課税になる?
2027年6月から2028年5月に納める令和9年度分です。2026年6月から納めている住民税(令和8年度分)は、2025年の所得で決まっていて、年収110万円以下(単身)が非課税の目安でした。

Q. 年の途中で退職して年収が少なかったら?
住民税は1年間の合計所得で決まるので、退職した年の年収が単身119万円以下なら、翌年度の住民税は非課税の目安に入ります。退職したあとの住民税の払い方は特別徴収と普通徴収の違い、払うのが難しいときは退職後の住民税が払えないときをご覧ください。

Q. アルバイトを掛け持ちしているときは?
非課税の判定に使うのは、すべての勤め先の給与を合計した年収です。1か所ごとの年収ではありません。

この記事の年収の目安は、給与収入だけの人を想定した概算で、均等割の非課税の基準を「35万円×人数」とする市区町村の場合です。給与以外の所得がある人や、市区町村によって基準が違う場合は判定が変わります。正確な判定はお住まいの市区町村の住民税の担当窓口にご確認ください。

出典: 仙台市 令和9年度(令和8年分)から適用される個人市県民税の税制改正等について、総務省 個人住民税、練馬区 住民税が非課税になる方、国税庁 No.1410 給与所得控除