住民税の計算方法|所得割10%・均等割・調整控除の手順と年収別の目安【2027年度・2026年の所得】
会社員の住民税(個人住民税)は、前の年の所得をもとに、①給与所得を出す、②所得控除を引いて課税所得を出す、③課税所得の10%から調整控除などを引いて「所得割」を出す、④定額の「均等割」と森林環境税を足す、の4段階で計算します。2026年1〜12月の所得で決まるのが2027年度(令和9年度)の住民税で、2027年6月から2028年5月までの給与から12回に分けて天引きされます。
所得税と手順は似ていますが、基礎控除などの控除額が小さく、税率が所得にかかわらず10%という違いがあります。この記事では、年収500万円・独身の会社員を例に手順を1つずつ示し、年収別の目安と毎月の天引き額をまとめます。数字はサイトの計算機(40歳未満・協会けんぽ東京の料率)による概算です。
手順1 給与所得を出す(2027年度は給与所得控除が最低74万円)
給与所得は「年収−給与所得控除」で、所得税と同じ表を使います。2027年度・2028年度の住民税は、給与所得控除の最低額が74万円(本則69万円+特例5万円)です(仙台市の令和9年度の改正の案内)。年収500万円なら給与所得控除は144万円で、給与所得は356万円です。2026年度(2025年の所得)は最低額が65万円だったので、年収がおよそ220万円以下の人は、2027年度の住民税が少し下がります。
手順2 所得控除を引いて課税所得を出す
給与所得から所得控除を差し引き、1,000円未満を切り捨てたものが課税所得です。社会保険料控除は所得税と同じく払った全額ですが、人に関する控除は所得税より小さく設定されています。
| 主な所得控除 | 住民税 | 所得税(2026年分) |
|---|---|---|
| 基礎控除(合計所得2,400万円以下) | 43万円 | 最大104万円 |
| 配偶者控除(70歳未満・本人の合計所得900万円以下) | 33万円 | 38万円 |
| 扶養控除(16歳以上の一般) | 33万円 | 38万円 |
| 扶養控除(19〜22歳の特定扶養) | 45万円 | 63万円 |
| 生命保険料控除 | 合計7万円まで | 合計12万円まで |
| 地震保険料控除 | 2.5万円まで | 5万円まで |
所得税の基礎控除は2026年分に104万円まで上がりましたが、住民税の基礎控除は改正されていません(仙台市の案内は「基礎控除の改正は所得税のみ」としています)。年収500万円・独身の例では、社会保険料734,500円と基礎控除43万円を引いて、課税所得は3,560,000円−1,164,500円=2,395,500円、1,000円未満を切り捨てて2,395,000円です。
手順3 所得割を出す(10%−調整控除)
所得割の税率は標準で10%(市町村民税6%・道府県民税4%。政令指定都市は8%・2%)です。課税所得に10%をかけ、そこから調整控除を引きます。調整控除は、所得税と住民税で人に関する控除の額が違う分(人的控除差)を調整するためのもので、次の式で決まります(江戸川区・中央区の案内)。
| 課税所得 | 調整控除 |
|---|---|
| 200万円以下 | 人的控除差と課税所得のいずれか少ない額×5% |
| 200万円超 | (人的控除差−(課税所得−200万円))×5%。ただし最低2,500円 |
人的控除差は、基礎控除の分が5万円で、16歳以上の一般の扶養親族や配偶者(配偶者控除の対象)がいれば1人につき5万円が加わります(特定扶養は18万円など、種類によって違います)。独身なら人的控除差は5万円なので、課税所得が5万円以上ある人の調整控除は2,500円です。合計所得が2,500万円を超える人には調整控除はありません。
年収500万円の例は、2,395,000円×10%=239,500円から調整控除2,500円を引いて、所得割は237,000円です。住宅ローン控除の住民税の分や、ふるさと納税などの寄附金税額控除がある人は、ここからさらに差し引かれます(ふるさと納税の上限計算)。
手順4 均等割と森林環境税を足して、毎月の額に分ける
均等割は所得にかかわらず定額で、標準は市町村民税3,000円・道府県民税1,000円です。2024年度からは国の森林環境税1,000円も住民税と一緒に集められているので、合わせて年5,000円が目安です(自治体によっては独自の上乗せがあります)。
年収500万円の例では、所得割237,000円+均等割と森林環境税5,000円で、住民税は年242,000円です。会社員は特別徴収として6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きされ、100円未満の端数は6月分に寄せられるので、6月は20,900円、7月から翌年5月は毎月20,100円になります。
年収別の住民税の目安(2027年度・2026年の所得)
| 年収(2026年) | 課税所得 | 住民税(年) | 毎月の天引き(7月〜) | 扶養1人の場合(年) |
|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 536,000円 | 56,100円 | 4,600円 | 20,600円 |
| 300万円 | 1,149,000円 | 117,400円 | 9,700円 | 81,900円 |
| 400万円 | 1,742,000円 | 176,700円 | 14,700円 | 141,200円 |
| 500万円 | 2,395,000円 | 242,000円 | 20,100円 | 209,000円 |
| 600万円 | 3,048,000円 | 307,300円 | 25,600円 | 274,300円 |
| 700万円 | 3,741,000円 | 376,600円 | 31,300円 | 343,600円 |
| 800万円 | 4,494,000円 | 451,900円 | 37,600円 | 418,900円 |
| 1,000万円 | 6,215,000円 | 624,000円 | 52,000円 | 591,000円 |
独身・40歳未満・協会けんぽ東京・給与収入だけ・ほかの控除なしの概算です。実際は市町村民税と道府県民税を別々に計算して100円未満を切り捨てるため、年額がこの表より100円ほど少ないことがあります。扶養1人は、16歳以上の一般の扶養親族か配偶者控除の対象の配偶者が1人いる場合で、扶養控除33万円と調整控除の増加(課税所得が少ない人は2,500円)の分だけ少なくなります。年収ごとの細かい金額は年収500万円の住民税のような年収別のページで確かめられます(年収別のページと住民税の計算は、2026年6月からの2026年度分を出しているので、年収220万円以下では金額が少し違います)。
住民税がかからない人・確かめ方
前の年の所得が一定以下の人は、均等割も所得割もかかりません。2027年度の目安は、給与だけなら単身で年収119万円以下、扶養1人で175万円以下です(住民税がかからない年収)。実際の税額は、毎年5〜6月ごろに会社から渡される住民税の決定通知書で確かめられます(住民税決定通知書の見方)。退職などで給与から天引きされなくなった人は、自分で納める普通徴収に切り替わります(特別徴収と普通徴収の違い)。
よくある質問
Q. 所得税は減ったのに、住民税が減らないのはなぜ?
2026年分の所得税は基礎控除が最大104万円に上がりましたが、住民税の基礎控除は43万円のままです。年収がおよそ220万円を超える人は給与所得控除も変わらないため、2027年度の住民税は、社会保険料の変化を除けば前の年とほぼ同じです。
Q. 1年目の会社員に住民税がかからないのはなぜ?
住民税は前の年の所得にかかるので、前の年に所得がなかった新社会人は、1年目の6月からは天引きされません。2年目の6月から引かれ始めます(住民税はいつから引かれる)。
Q. 住んでいる市区町村で税額は違う?
所得割の10%と均等割は全国の標準です。ただし、多くの県と一部の市が、森林や水源を守るためなどに均等割へ独自の上乗せ(超過課税)をしていて、年数百円〜1,000円あまり高くなることがあります。所得割に上乗せしている県もあります。
この記事の数字は、2026年11月時点の公表資料とサイトの計算機(2026年の料率・税制)による概算です。給与以外の所得や医療費控除・寄附金税額控除などがある場合、扶養の種類によって計算が変わります。正確な税額はお住まいの市区町村の決定通知書でご確認ください。
出典: 総務省 個人住民税、仙台市 令和9年度(令和8年分)から適用される個人市県民税の税制改正等について、江戸川区 税額控除(調整控除)、中央区 税額控除