手取りの計算方法|額面から社会保険料・所得税・住民税を引く手順と年収別の手取り率【2026年】
手取りは、額面(会社が支払う給与の総額)から、社会保険料・所得税・住民税の3つを引いた残りです。式にすると「手取り=額面−社会保険料−所得税−住民税」で、会社によっては財形貯蓄や組合費なども給与から引かれます。引かれる額の順番には意味があり、社会保険料を先に出さないと所得税と住民税が計算できません。
サイトの計算(2026年の料率・税制、独身・40歳未満・協会けんぽ東京)では、年収500万円の手取りは約393万円で、額面の約79%です。この記事では、年収500万円を例に3つの差し引き額の出し方を順に示し、年収別の手取り率と、毎月の手取りが年によって変わる理由をまとめます。
手順1 社会保険料を出す(額面の約15%)
最初に、健康保険・厚生年金・雇用保険(40〜64歳は介護保険も)と子ども・子育て支援金を出します。健康保険と厚生年金は月給を等級に当てはめた標準報酬月額に、雇用保険は給与の総額に料率をかけます。本人の負担は合わせて額面のおよそ15%です。年収500万円なら、年額で約73万円です(年収に料率をかけた概算。月給を等級に当てはめると1万円ほど少なくなることがあります)。料率と等級の決まり方は社会保険料の計算方法で説明しています。
手順2 所得税を出す
所得税は、額面から給与所得控除を引いた給与所得から、さらに手順1の社会保険料と基礎控除などを引いた課税所得に、税率をかけて出します。年収500万円・独身の例では、給与所得356万円から社会保険料734,500円と基礎控除104万円を引いた課税所得が1,785,000円、税率5%に復興特別所得税を足して所得税は年91,100円です。手順の詳細と速算表は所得税の計算方法にまとめています。
手順3 住民税を出す
住民税も手順1の社会保険料を差し引いて計算しますが、基礎控除は43万円で、税率は一律10%です。年収500万円・独身の例では、課税所得2,395,000円の10%から調整控除2,500円を引いた所得割237,000円に、均等割と森林環境税5,000円を足して住民税は年242,000円です。その年の所得にかかる住民税が、翌年6月から翌々年5月まで天引きされます(住民税の計算方法)。
手順4 額面から引く
| 年収500万円・独身・40歳未満 | 年額 |
|---|---|
| 額面(年収) | 5,000,000円 |
| 社会保険料 | −734,500円 |
| 所得税(復興特別所得税を含む) | −91,100円 |
| 住民税 | −242,000円 |
| 手取り | 3,932,400円(月あたり約32.8万円) |
引かれる額の合計は1,067,600円で、額面の約21%です。そのうち約7割を社会保険料が占めます。この表は、2026年の1年分の所得にかかる保険料と税金で計算しています(住民税は、2026年の所得の分を翌年度に払う額です)。
年収別の手取りと手取り率(2026年)
| 年収 | 手取り(年) | 月あたり | 手取り率 | 40〜64歳の手取り率 |
|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 約165.0万円 | 約13.8万円 | 82.5% | 81.8% |
| 300万円 | 約241.4万円 | 約20.1万円 | 80.5% | 79.8% |
| 400万円 | 約317.8万円 | 約26.5万円 | 79.5% | 78.8% |
| 500万円 | 約393.2万円 | 約32.8万円 | 78.6% | 78.0% |
| 600万円 | 約466.2万円 | 約38.9万円 | 77.7% | 77.1% |
| 700万円 | 約531.7万円 | 約44.3万円 | 76.0% | 75.4% |
| 800万円 | 約594.1万円 | 約49.5万円 | 74.3% | 73.7% |
| 1,000万円 | 約717.7万円 | 約59.8万円 | 71.8% | 71.2% |
| 1,500万円 | 約1,016.9万円 | 約84.7万円 | 67.8% | 67.3% |
独身・扶養なし・協会けんぽ東京・給与収入だけの概算です。年収が上がると所得税の税率が上がるので、手取り率は下がります。手取りの目安として「額面の75〜85%」と言われるのは、年収700万円くらいまでの範囲です。扶養する家族がいる人は扶養控除や配偶者控除で税金が減り、手取りは少し多くなります。条件を変えた計算は手取り計算で、年収ごとの内訳は年収500万円の手取りのような年収別のページで確かめられます。
毎月の手取りが年によって変わる理由
年収÷12がそのまま毎月の手取りになるわけではありません。毎月の給与から引かれる額には、次のようなずれがあります。
- 所得税は見込みで引かれる:毎月の所得税は国税庁の源泉徴収税額表で決まる見込みの額で、1年分の税額との差は12月の年末調整で精算されます。2026年分は基礎控除の引き上げが毎月の源泉徴収に入っていないので、12月に戻る額が多くなります(基礎控除は2026年分いくら)。
- 住民税は前の年の所得で決まる:6月から翌年5月まで、前の年の所得にかかる住民税が引かれます。前の年に所得がほとんどなかった新社会人は1年目は住民税が引かれず、2年目の6月から手取りが減ります(住民税はいつから引かれる)。
- 社会保険料は9月に変わる:4〜6月の給与で決まる標準報酬月額が9月分の保険料から使われる(多くの会社では10月の給与から引かれる)ので、昇給や残業の多さによって秋から手取りが変わります。
月給から毎月の手取りを出したいときは月給30万円の手取りのような月給別のページが、手取りから必要な額面を知りたいときは手取りから額面を逆算する方法が使えます。
よくある質問
Q. 通勤手当も額面に入る?
入ります。額面(総支給額)には通勤手当も含まれ、社会保険料や雇用保険料の計算にも入ります。所得税では、電車・バス通勤の通勤手当は月15万円まで非課税です。額面の意味は額面とはをご覧ください。
Q. ボーナスがあると手取りは変わる?
年収が同じでも、ボーナスの割合が大きいと社会保険料の上限の関係などで少し変わります。ボーナスそのものの手取りはボーナスの手取り計算で確かめられます。
この記事の数字は、2026年11月時点の国税庁・協会けんぽ・日本年金機構の公表資料と、サイトの計算機による概算です。お住まいの地域の健康保険料率、扶養の有無、給与以外の所得などで手取りは変わります。
出典: 国税庁 No.2260 所得税の税率、国税庁 No.1199 基礎控除、協会けんぽ 令和8年度 都道府県単位保険料率、日本年金機構 厚生年金保険料額表(令和8年度版)、総務省 個人住民税