会社員の給与から引かれる社会保険料は、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の3つと、40〜64歳の介護保険料、2026年4月分から加わった子ども・子育て支援金です。計算のしかたは2通りあり、健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金は「標準報酬月額×料率の半分」、雇用保険は「その月の給与の総額×0.5%」です(料率は会社と本人で折半し、雇用保険は本人の負担率)。

この記事では、2026年度(令和8年度)の料率、標準報酬月額の決まり方、端数の処理を、協会けんぽ(東京都)に入っている月給30万円・40歳未満の会社員の例で示し、年収別の目安をまとめます。

2026年度の料率(協会けんぽ・東京都の場合)

保険料率(会社と本人の合計)本人の負担計算のもと
健康保険9.85%4.925%標準報酬月額
介護保険(40〜64歳)1.62%0.81%標準報酬月額
子ども・子育て支援金(2026年4月分から)0.23%0.115%標準報酬月額
厚生年金18.3%9.15%標準報酬月額
雇用保険(一般の事業)—0.5%その月の給与の総額

健康保険の料率は都道府県ごとに違い、協会けんぽの令和8年度の料率は、もっとも低い新潟県が9.21%、もっとも高い佐賀県が10.55%です。会社の健康保険組合に入っている人は、組合ごとの料率と負担の割合になります。協会けんぽの介護保険料率(1.62%)は全国共通、子ども・子育て支援金率は全国一律0.23%で、一般の会社員の厚生年金保険料率は18.3%です。雇用保険料率は業種によって少し違います。

標準報酬月額の決まり方

健康保険と厚生年金は、毎月の実際の給与ではなく、給与を区切りのよい金額の等級に当てはめた「標準報酬月額」に料率をかけます。等級は健康保険が50段階(5万8,000円〜139万円)、厚生年金が32段階(8万8,000円〜65万円)です。給与には基本給だけでなく、残業代や通勤手当などの手当も含みます。

  • 定時決定:毎年4月・5月・6月に受け取った給与の平均で等級を決め、その年の9月から翌年8月まで使います(日本年金機構)。
  • 随時改定:昇給などで基本給や手当のような固定的な給与が変わり、3か月の平均で2等級以上の差が出たときは、4か月目から等級が変わります。

4〜6月に残業が多いと1年間の保険料が上がる、と言われるのはこのしくみのためです。どのくらい影響するかは標準報酬月額とはで説明しています。

計算例:月給30万円・40歳未満(東京都)

月給(残業代や手当を含む総支給額)が30万円なら、標準報酬月額は健康保険も厚生年金も30万円(健康保険22等級・厚生年金19等級)です。毎月の保険料は次のとおりです。

保険計算毎月の保険料
健康保険30万円×4.925%14,775円
子ども・子育て支援金30万円×0.115%345円
厚生年金30万円×9.15%27,450円
雇用保険30万円×0.5%1,500円
合計44,070円

40歳以上なら介護保険料30万円×0.81%=2,430円が加わり、合計は46,500円です。介護保険料は、40歳の誕生日の前日がある月の分から、65歳の誕生日の前日がある月の前の月の分まで給与から引かれます。給与から引くときは、本人の負担分に1円未満の端数が出たら、50銭以下を切り捨て、50銭を超える分を切り上げます。

雇用保険料だけは標準報酬月額を使わず、その月に実際に支払われた給与の総額(通勤手当や残業代を含む)にかけるので、残業が多い月は少し増えます。月給ごとの保険料は月給30万円の社会保険料のような月給別のページで、47都道府県の健康保険料と一緒に確かめられます。

ボーナスの社会保険料

賞与(ボーナス)からも同じ料率で社会保険料が引かれます。賞与は等級ではなく、支給額の1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に料率をかけます。上限があり、健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金は年度の累計573万円まで、厚生年金は1か月150万円までです。雇用保険は支給額そのものにかけます。くわしくはボーナスの社会保険料の上限とボーナスの手取り計算をご覧ください。

年収別の社会保険料の目安(年額)

年収(賞与なし・月給×12)40歳未満40〜64歳
200万円約30万円約32万円
300万円約46万円約48万円
400万円約60万円約63万円
500万円約72万円約76万円
600万円約88万円約93万円
800万円約116万円約123万円
1,000万円約127万円約135万円

協会けんぽ東京都の料率で、年収を12で割った月給を等級に当てはめて計算した概算です(年収の15%前後、40歳以上は15〜16%。等級の区切り方で少し上下します)。月給がおよそ63.5万円以上(年収およそ760万円以上)になると、厚生年金の標準報酬月額が上限の65万円で止まるため、年収に対する割合が下がり、年収1,000万円では約12.7%です。払った社会保険料は全額が社会保険料控除になり、所得税と住民税を計算するときに差し引かれます(所得税の計算方法)。

よくある質問

Q. 2026年度に保険料が変わったのはどこ?
2026年4月分から子ども・子育て支援金(本人0.115%)が始まり、協会けんぽの健康保険料率は3月分から都道府県ごとに見直されました(東京都は9.91%から9.85%)。雇用保険料率は本人0.55%から0.5%に下がりました。差し引きで、月給30万円・40歳未満なら毎月の負担はほとんど変わりません。

Q. 社会保険料は額面の何割?
40歳未満なら額面の15%前後、40歳以上は15〜16%です(月給がおよそ63.5万円以上になると割合は下がります)。所得税・住民税と合わせると、年収600万円くらいまでは額面の2割前後が引かれ、それより年収が高いと割合は大きくなります。年収ごとの手取りは手取り計算で確かめられます。

Q. パートでも社会保険料はかかる?
勤め先の社会保険に入る条件(週20時間以上など)を満たすと、同じ計算で保険料がかかります。家族の扶養に入っている人の年収の目安は2026年の年収の壁のまとめをご覧ください。

この記事の数字は、2026年11月時点の協会けんぽ・日本年金機構・労働局の公表資料と、サイトの計算機による概算です。健康保険組合に入っている人や、業種によって料率が違う場合は金額が変わります。

出典: 協会けんぽ 令和8年度 都道府県単位保険料率、日本年金機構 厚生年金保険料額表(令和8年度版)、日本年金機構 定時決定(算定基礎届)、日本年金機構 随時改定(月額変更届)、山形労働局 令和8年度の雇用保険料率